限定承認
限定承認とは
相続財産があることは明らかなものの、プラスのほうが多いのかマイナス(借金)のほうが多いのかが判然としない場合があります。
そのような事案において単純承認をしてしまうと、後日借金のほうが多いことが判明した場合大きな損失を被ることになってしまいますが、これを回避するために限定承認という制度が定められています。
限定承認を行ないますと、仮に借金のほうが多かった場合でも相続したプラス財産の範囲内で借金を支払えば良く、残りは免除されます。
限定承認は全員で行なう必要がある
限定承認という言葉は比較的知られていますが、現実に用いられることは少ないようです。
その理由は、民法923条が「相続人が数人あるときは、限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができる」と定めていることにあります。
つまり、限定承認は、相続人全員で行なわなければなりません。
誰か一人が単純承認をしている場合、限定承認は利用できません。
限定承認は複雑?
限定承認はお得な制度のように感じられますが、実際にはあまり利用されていません。
その理由は、前述の「相続人全員で行なう必要がある」という点以外に「手続が複雑」という点も挙げられます。
限定承認の中では、相続財産目録を作成したり、相続債権者や受遺者に対して公告を行なったり、一般の方にとっては非常に面倒な手続が必要になります。
また、相続債権者や受遺者と紛争(場合によっては訴訟沙汰)になる可能性もあり、それなりの法律知識が必要とされます。
結局、多くの場合は弁護士や司法書士に依頼することになり、それなりに高額な手数料を支払うことになってしまいます。
限定承認は法律の専門家へ
限定承認は相続放棄に比べて非常に複雑な手続であり、法律の知識なしで行なうことは危険です。
どうしても限定承認を行なう必要がある場合には、法律の専門家である弁護士や司法書士に手続を任せたほうが良いでしょう。

















